メジャーリーグ・カブスのバントシフトは有効なのか?
こんにちは!東のうなぎです。
久しぶりのブログ更新となります。。。 ドラフト候補の記事も活発に書いていきたいのですが、主が忙しく、、、
と、そんなことはさておき、今回はメジャーリーグで見られたバントシフトについて簡単に考察していきます。
ネットの拾い絵ですが、こちらがランナー一塁のケースでメジャーリーグ、カブスがとったバントシフトになります。
何かがおかしい、、、
野球を少しでも知っている方でしたら、異変に気が付くと思います。
「投手の隣に誰かいる、、、」
このシフトで特徴的なのはファーストを投手の横に守らせ、セカンドが1塁ベースにいる点です。
一般的なバントシフトでは、投手の牽制に備えてファーストは投手が投球モーションに入る直前までファーストベースにつき、投球と同時に打者に向かってチャージをかけます。その際セカンドはファーストが前進し、バントがなされた場合、一塁ベースに入り送球を待ちます。つまりこのシフトでは最初からファーストがチャージをかけた状態で、セカンドを一塁ベースに置いているということです。投球とともにファーストとセカンドが動き出すシフトは、動き出すタイミングが遅ければ二塁でランナーを刺すことが難しく、さらに投手がボールを投げた場合はもう一度最初の守備位置に戻り再びチャージをかけるために疲労もたまります。その点においてこのシフトはよりランナーを先の塁でアウトにする、野手をバントの際に過度に疲労させないために考案されたものなのでしょう。
一方でこのシフトには欠点があります。野球規則によって捕手用ミット(公認野球規則1,12)、一塁手用ミット(同1,13)とその他のグラブ(同1,14)については大きさに規定があり、例えば捕手用ミットでショートを守ったりはできません。反対に普通のグローブでキャッチャーやファーストの守備に就くことはできます。これについて投手のボークのようなペナルティはありませんが、審判の指示で正しいグローブに取り換えさせることになります。
このシフトの場合、ファーストが投手の横につくためファーストとセカンドの守備位置が逆転するような形になります。そのためファーストミットを取り換える必要があります。一般的にあまり守備がうまくない選手が守るファーストが、さらに不慣れなグローブを使いプレーすることになりますので守備能力には不安が残ります。
さらにシフトの裏を狙うプッシュバントを除いてバントをしようとする打者は基本的に線際を狙います。そのためあらかじめシフトを引いていてもファーストは送球したい二塁ベースと反対方向に打球を取りに行く必要があり、むしろ送球に時間がかかってしまうでしょう。このような理由からこのシフトにはあまり効果は見込めないのではないでしょうか。カブスの監督は奇策好きで知られるジョー・ゴードンであり、こういった新たな取り組みを今後も試していきそうですね。
このシフトではファーストがいる位置にセカンドを置く場合はどうなのでしょうか。ファーストとセカンドの位置を逆転させず、セカンドをそのまま定位置から前に持ってくるシフトならば有効となるでしょうか。これならばグローブの取り換えやファーストの守備力などを考慮せずに済むことになり、動きが俊敏な選手の多いセカンドにバント処理をさせることができます。8番、9番やプロ野球ならば投手が打者であり、確実にバントをしてくるであろう場面ならばこのシフトは高い効果を示すことでしょう。十分に実用する価値があると考えます。
以上が今回カブスがとったシフトについての簡単な考察になります。本当は過去のバントがされたケースでの打球方向のデータをもとに考えるべきなのですが、省いてしまいました、、、
バスターを仕掛けられた場合、本来セカンドが守る範囲がガラ空きになってしまうのと、セカンドが強烈な打球が来た時に危険にさらされることが簡単に想像できますが、100%バントが来る場面で一試合のうち最も重要な場面でしかけるならばかなり有効な手となることでしょう。皆さんも自チームで試してみてはいかがでしょうか。
以上、お読みいただきありがとうございました!